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紙のリサイクルってどうやってるの?実態と問題点とは?

紙のリサイクルってどうやってるの?実態と問題点とは?

Shaer
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紙ってどうやってリサイクルされているかご存じですか?使い終わったダンボールや新聞紙、雑誌などは、古紙と呼ばれる大切な資源です。日本では古紙の80%が回収され、リサイクルされています。

紙のリサイクルは、なんと平安時代からすでに始まっていました。紙が普及するにつれて原料不足になったため、一度使用した紙を水に溶かし、すき直して使っていたようです。
その後も再生紙の生産は続き、江戸時代には江戸の浅草紙、京都の西洞院紙が有名になり、商売としての古紙回収も始まっていたそうです。そのおかげで日本では、古紙回収の仕組みがしっかりと確立し、循環型社会の形成に大きく貢献しています。

今回は意外と知らない「紙」のリサイクル方法とその問題点についてご紹介していきます。

紙をリサイクルする3ステップ

紙をリサイクルするには、「分別」「回収」「再生」の3ステップが必要となります。

step1 分別 

同じ種類に分別することで良質な紙に戻すことができます。新聞、雑誌、段ボール、牛乳パックなど種類ごとにきちんと分別することでそれぞれ違う製品に再生されます。混在してしまうと雑紙として扱われリサイクルの幅が狭まってしまいます。

step2 回収

家庭や会社、スーパーなどから古紙を回収します。分別された古紙を種類ごとに専門業者が回収します。回収された古紙は中間処理施設(紙問屋)に運ばれ圧縮、梱包され運びやすい形に加工します。

step3 再生

最終的に集められた古紙は製紙会社に運ばれ種類ごとに新たな再生品に生まれ変わります。薬品を加えた温水の中に入れてかきまぜ、ドロドロにします。次にスクリーンという装置で網の目を通し、ゴミやチリを取り除きます。

さらにフローテーターという装置で、洗剤を加えてインクを浮かし、細かい気泡にインクの粒子を吸着させて取り除きます。最後に漂白剤を加えて漂白し、洗浄後に脱水すると、古紙パルプになります。このパルプから、再生紙が作られます。

「雑紙」の分別とリサイクル

「雑がみ」とは、メモ用紙やお菓子の空き箱、封筒・ハガキといった、新聞(折込チラシを含む)・雑誌・段ボール・飲料用の紙パック以外の「リサイクルできる雑多な紙」のことをいいます。「雑がみ」は、何気なく可燃ごみとして捨ててしまいがちですが、分別して「資源ごみ」として出せば、新たな製品に生まれ変わります。松戸市では、この「雑がみ」の分別を啓発しリサイクルに取り組んだ結果、大幅なごみの減量につながりました。詳しくはこちらをご覧ください(松戸市HP)

リサイクルするうえでの問題点

紙のなかにはリサイクルできない「禁忌品」と呼ばれるものがあります。代表的な禁忌品は、カーボン紙(複写伝票)や、感熱紙(レシート)、圧着ハガキ、写真、複合材(通販用緩衡封筒など)、臭いや油汚れのある紙などです。これらが資源物に混入すると、リサイクル工場において、機械が故障する原因となってしまいます。資源物に混ぜずに、燃やせるごみとして出しましょう。詳しくはこちら(禁忌品一覧)

まとめ

日本では古くから取り組まれてきた「紙」のリサイクル。実は、プラスチックなどのリサイクルよりも取り組みやすく、溶解してリサイクルするので熱を使うこともそこまでなく、エネルギー効率も良いんです。紙を捨ててしまわずにリサイクルに出せば、廃棄物削減や資源の有効活用だけでなく、森林の保全にもつながります。メリットが多いです。一方、紙であればなんでもリサイクルに出せるわけではなく、注意が必要です。リサイクルできない紙を認識し、紙を種類ごとにまとめてリサイクルに出すことを心がけましょう。

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